VIX恐怖指数投資のショート(売り)戦略のリスクと対策

VIX太郎
博士、ちょっとこれ見てください!「VIXのショート(売り)は儲かりまっせ!」って書いてあるんだけど、これって本当なんですか?
VIX博士
VIX博士
どれどれ。なるほど、なるほど、たしかにVIXのショート自体の勝率は高いんじゃが、リスクに関しての記述が足りないようじゃのう…

VIXショート(売り)戦略は、VIXの特性を活かした優位性のある戦略ではありますが、それは一定の条件下でのみ成立する戦略です。

例えば、VIX高騰時には、VIXショート(売り)戦略が破綻する可能性についてはご存じでしょうか。

今回は、そんなVIXショート(売り)戦略の知られざるリスク、そして、その対策についてご紹介します♪

VIX恐怖指数投資のショート(売り)戦略のリスクとは

売り制限が発生するリスク

VIXが高騰するような暴落時時には、マーケットだけでなく証券会社も厳戒モードになります。

VIXが高騰した局面に、とある証券会社のVIX先物に連動する銘柄を取引しようとすると…

VIX売り規制
VIX売り規制

『この銘柄の新規売注文は現在規制されています。』という文言が出現!もちろんVIX系のETFでも同じように新規の売り規制は発生します。

VIX博士
VIX博士
いわゆる『売り禁』というやつじゃな。VIXショート(売り)を紹介している人は、この証券会社をオススメしている人ばかりなんじゃが、どうやってこの状況で売り建てているんじゃろうか…。

逆日歩が高騰するリスク

先物と違って、ETFの場合には、新規の売り建ての規制だけでなく、逆日歩が高騰するリスクが発生します。

VIX関連のETFとして有名な 国際のETF VIX短期先物指数(1552)では、前日まで5円だった逆日歩が140円(28倍!)になったこともあります。(2017/10/23)

VIX博士
VIX博士
逆日歩とは株やETFを売り建てた時に発生するコストのことじゃ。保有しているだけで資産が目減りする状況で売り続けるんじゃろうか…。

強制償還(早期償還)のリスク

ETF・ETNの場合、約款に基づき、強制償還されるリスクがあります。2018年のVIXショック時には実際に早期償還が行われました。

1日で9割の資産が消えた話 → 準備中

VIX博士
VIX博士
ほとんどの人が目論見書を読まずに早期償還となっていたようじゃ…。

その他のリスク

先物・オプション取引においては、マーケットの状況に合わせて、証拠金率が改定されていますので、VIX先物において証拠金が急上昇するリスクも考慮する必要があるかもしれません。

ただ今のところは、証拠金率の改定の前に、問答無用で売り規制が入っているのが現状です。

VIX恐怖指数投資のショート(売り)戦略のリスク対策とは

今回、VIXショート(売り)戦略の知られざるリスクを紹介しましたが、そのどれもが対策することが可能です。

売り制限のリスクに対しては、売り制限が起きない証券会社を利用する。

VIX博士
VIX博士
ワシが調べた限りじゃ、日本の証券会社だと一部の外資系証券に絞られるのぅ…

逆日歩のリスクに対しては、ETFではなく先物を利用する。

早期償還のリスクに対しては、しっかりと目論見書を読んでから投資する。

VIX博士
VIX博士
発行会社の経営破綻リスクも抱えていることを忘れんようにするんじゃよ…

まとめ

いかがでしたか?

VIXショート(売り)戦略をオススメしているメディアは多くありますが、その戦略のリスクまで紹介しているところが見当たらなかったので、今回はそこに焦点を当ててみました。

VIXショート(売り)戦略にとって、特に『売り制限』『売り禁』は致命的なので、事前にしっかりと対策をとられてから投資することをオススメします♪

VIX博士
VIX博士
次の授業は…